学部・大学院FACULTY TAISHO
社会福祉学科
100年福祉-89 卒業生シリーズ㉓
卒業生を紹介するシリーズの23回目は、短期大学卒業後、編入生として本学科で3年間学んだ和田(旧姓青山)優実さんに、当時の思い出を振り返ってもらいます。
①卒業年次、取得資格
2006.3(平成14年)保育士資格取得
2009.3(平成17年)卒業 社会福祉士取得
②卒業後の略歴
2009(平成17年)社会福祉法人 あしたか太陽の丘 「あまぎ学園」 生活支援員
2011(平成19年)社会福祉法人 あしたか太陽の丘 「ワークスうしぶせ」 生活支援員
2015(平成27年)社会福祉法人 瑞浪市社会福祉協議会 瑞浪市子ども発達支援センター 指導員
2017(平成29年) 9月~ 育児休業
④大正大学社会福祉学科での思い出、選んでよかったと思うところ
私は、短期大学で保育と福祉について学び、その後の学びの場として大正大学を選びました。
短期大学では、福祉・保育について初めて学び、実習をする中で、自分が今後どの分野で福祉に携わっていきたいのか、大きな方向性を決めてきました。その後の大正大学に編入した3年間は、短期大学で駆け足で学んできたことを整理し深めていくために、とても充実した時間でした。何よりも「あなたにはこの施設で実習してほしい」と自分の学びたいことや必要なことを理解し、機会を与えてくれる先生に出会うことができ、実習等を改めて経験する中で「自分はどんな支援者になりたいのか」というビジョンを明確に持つことができました。
一番印象に残っているのは「卒業研究」です。ゼミの先生とじっくりとテーマを考え、自分にできる研究の進め方、どのような方法で裏付けをし、自分の考えや想いをまとめていけばよいのか等、二人三脚で取り組めたことは私にとって大きな財産になっています。今となっては美しい思い出になっていますが、当時は実習や実習報告会と時期が重なっていたこともあり、人生の中でこんなに忙しく、辛い時期があるのかと弱気になったこともありました。ただ、実際に現場で働く中では、日々の支援に加え、記録や個別支援計画の作成など同時進行で進めていかなければならないことばかりです。また、利用者・児やその家族の想いを察し、簡潔に文章で表現するということが求められます。表現力については未熟なところばかりですが「様々な課題がある中でも自分の考えや想いをまとめることができた」という経験は自信に繋がっています。
⑤社会福祉を学ぶことや社会福祉の仕事の魅力について
卒業後に、入所施設で主に知的障害者の生活・就労支援に携わってきました。今思うと、本人も家族も障害を受容しきれずにいる、人間関係面で就労や地域生活の継続が難しい方も多くいましたが、その時の私は、利用者の将来について考える中で「いかに就労できるようにし、地域生活を実現させるのか」等、「就労」ということに支援の視点が固まっていたのではないかと思います。
その後、結婚・出産を経て、今は3児の母となりました。母となり、支援についての考え方が大きく変化してきたように思います。当事者やその家族の想い、関係性に目を向けることが多くなりました。
支援は自分の想いや考え、人生観をダイレクトに映していると感じることがあります。それは、常に自己覚知をするべきという教訓でもありますが、自分自身のライフスタイルの変化から、支援に対する視点を増やしていくこともできます。日々の経験が、全て学びに繋がります。
現在は療育の現場で、様々な困り感を持った子どもや保護者の方と関わっています。自分の子どもと同年代のお子さんたちです。保護者の方の心配や悩み、時には障害の受容に対しての葛藤の場面に立ち会うこともあります。母として、支援者として、その子や家族の想いに添った支援を考えています。
現在の職場で、支援の考え方として「相手にとって大好きな存在になること」ということを教えてもらいました。なかなか自分の考えや想いを表現することが難しい中で、その時々の想いを受け止めてくれる、代弁をして整理をする手伝いをしてくれる「大好きな人」がいること。そのことが、その人の人生の中でどれだけ大きな支えとなることでしょう。まずは家族が一番の理解者になれるように想いを繋いでいくこと、そして私は成長をしていく中で、ふと思い出してもらえるような「大好きなひと」のひとりになれるように、日々邁進していきたいと思います。
ゼミのお母さん的存在だった和田(青山)さん。当時体調の優れなかった私のサポートを、ゼミ長とともによくしてくれました。そして現在、本物のお母さんになられました。約10年の間、転職や育児休業を取得しながら、障害のある人たちの支援に携わり続けているあなたに敬意を表します。
一緒に作った卒業研究は、私の財産でもあり、今でも後輩たちの見本となり続けています。