学部・大学院FACULTY TAISHO
社会福祉学科
サービスラーニング5年目の活動を終える~基礎ゼミナール沖倉ゼミ、1年を振り返って~
100年福祉121(2018年10月8日付)でご紹介したように、サービスラーニング区民ひろば千早担当の沖倉ゼミでは、ゼミ生18名が3グループにわかれて、各グループから4プログラムの企画に携わるリーダーを選出し、全員がそのいずれか1つにリーダーとして関わりました。前回は2つの活動をご紹介しましたが、今回は残り2つに加えて新規プログラム、そしてまとめとしての成果発表会の様子をお伝えします。
まず、昨年度に引き続き、地域住民が中心となって立ち上げた高齢の皆さんのための居場所「らくゆうサロン千川の杜」での、レクリエーション企画からの学びを、リーダーの活動報告メールから見てみましょう。
白井千尋さん
「らくゆうサロン終了しました。ことわざ穴埋めクイズと「イントロドン」を行いました。想像していたよりもあまり盛り上がらず、かなりリハーサルを行ったため、悔しい結果となりました。しかし、他のメンバーが機転を利かし、連想ゲームなどを行ったため、高齢者の方にも喜んでいただくことができました。私も機転を利かし、失敗を失敗だと感じさせないように行動できるようになりたいと強く思いました。様々な課題が生まれたため、今後このような機会がまたあった際には、それを生かしたいと思いました。」
布川勝登さん
「イントロクイズでは事前に音量を確認しましたが、スマートフォンの音量が小さく利用者の方にとって聞き取りづらかったこともあり、人が集まりませんでした。ことわざ穴埋めクイズは利用者の方から人気があり、自分たちが難しいと感じていた問題も利用者の方は素早く答えられていて驚きました。今回の活動を通して、臨機応変に対応すること、利用者の方の年齢と聴覚などの知覚を考慮することが重要だと感じました。普段参加しているだけでは実感できないことを多く得ることができました。今後の活動に繋げていきたいと思います。」
次に、昨年度に引き続き、「収穫祭」でのゲームコーナーの企画にも参画しました。活動報告メールの記述から、リーダーの感想を見てみましょう。
飯野日捺子さん
「収穫祭の学生企画のゲームコーナーを担当し、収穫祭にちなんで隠れている野菜を収穫するゲームを制作しました。制作の時は子どもたちにどうしたら楽しんでもらえるのか、喜んでくれるかなど不安なところもありましたが、本番では他のメンバーが、「何が出るかなー?」などと言って、一緒に考えたり、野菜を抜く時に効果音をつけたりすることで、子どもたちには予想以上に喜んでもらえてすごく嬉しかったです。自分自身今まで企画することが無く、初めての経験で、企画案を区民ひろばに持って行った時に、ほとんどがボツでダメ出しも多く、子どもに出来ることや出来ないことなど、今回の企画を考える際にいっぱい学ぶこともありました。もし次にこういう機会がある時は、今回の経験を活かせたらいいなと思いました。」
舩山朝陽さん
「今日ゲームコーナーのリーダーを始めて担当させていただき、初めはお子さんたちが喜んでくれるかとても不安でしたが、当日やっているうちに慣れてきて、いろいろ工夫することができ、お子さん達が楽しんでくれて、やって良かったなと思いました。収穫祭のような大きなイベントでは、イレギュラーなことが必ずあるので、イベントがスムーズに行えるように話し合う場を設けることは大切だということを反省会でも確認し、とてもいい勉強になりました。」
この2つの活動から学生たちは、レクリエーションを企画する際には、参加者の特性をイメージして検討すること、臨機応変に対応する余裕を持つことが大切であることを学びました。ソーシャルワーク演習の授業等でも引き続きレクリエーションの企画は行いますので、今回の経験を活かしてほしいと思います。
そして今年度新規に、「ボッチャ」をスタートさせました。このプログラムは多世代の区民の皆さんが楽しめるプログラムを考える必要があると、沖倉ゼミ初代の学生からずっと開催を提案し続け、昨年度「認知症サポーター養成講座」の企画運営に携わった現2年生がお手伝いとして参加したものを、今年度はその先輩たちと協力して、今年度リーダーが、企画運営を主体的に行ったものです。
岩楯賀央さん
「運営側から進行を進めていましたが、途中で何度か止まってしまったりしてしまいましたが、利用者さんたちに助けていただいたりして嬉しかったです。今回の体験で様々な課題が見つかったので今後に活かしていきたいです。」
村田滋紀さん
「ボッチャのルールは理解して臨んだのですが、役割分担・流れの確認・準備にかかる時間を考慮していなかったので、開始時間が遅れ、最初の方はグダグダな進行になってしまいました。ほんの5分だけでも事前に話し合えば防げたことなので、次のボッチャの際、また、別の企画をやる際に気をつけていきたいと思います。内容としては、利用者さんとボッチャをしていると、皆さんが笑顔になるぐらい楽しんでいたので嬉しくなりました。また、腰が悪い利用者さんの補助を学生の方でやっていたら、途中から別の利用者さんが補助してくださって、相互の助け合いの一面も見ることができました。他にも、「また参加したい」「次も楽しみにしてます」とのお声をいただいたので、今回の企画を越えるような企画をしていきたいと思いました。」
8月からスタートしたサービスラーニングの事後学習を踏まえた報告会を、2019年1月10日、区民ひろば千早で開催しました。約4か月間の活動でお世話になった理事をはじめとした利用者の皆さんが、学生の「引きこもりがちな高齢者に地域活動に参加してもらうための提案」を聞き、地域の状況を踏まえたより具体的な情報提供をくださったことに学生一同感謝していました。翌週学内で行った成果発表会では、その助言を反映して、自分たちのサービスラーニングでの気づきを踏まえたCSWの役割や、新たなプログラムの提案を、寸劇を交えて行うことができました。
年末年始に掛けて、リーダーシップをとって報告内容を取りまとめてくれた、2名のゼミ生の学びを、期末レポートの記述から紹介しておきましょう。
藤原勘吉さん
「数か月間、たくさんの活動に参加したが、いつ参加しても利用者さんの笑顔や言葉が嬉しく、やりがいを感じていた。地域のために活動している人の気持ちが少しは理解できたのかなと思った。サービスラーニングとしては区切りがついたが、来年度の後輩たちの手伝いをさせていただくことになった。これからもこのご縁を大切に、恩返しができるよう日々努力していきたい。」
西條友真さん
「1年生のうちにサービスラーニングに参加することができてよかったと思う。実際に活動している現場に行き、幅広い世代の方たちと関わることで、その場で自分ができることを探したり、人と話すときの戸惑いのようなものが少なくなった。また少しではあるが、CSWやひろば職員の仕事を見ることができた。地域で暮らす一人ひとりとのつながりの大切さや関係を築く必要性を感じられたのは良かったと思う。この経験を他の活動や今後の授業等に活かしたい。」
村田さんや藤原さんの記述にあるように、今年度ゼミ生は引き続き、「ボッチャ」や次年度ゼミ生の事前学習の地域探索の企画運営に関わる予定です。
最後になりましたが、CSWや区民ひろば千早の職員の方々、そしてひろばの理事をはじめとした利用者の皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました!そして6年目もよろしくお願いします!!
(文責 沖倉智美)