学部・大学院FACULTY TAISHO
哲学・宗教文化コース
台湾調査旅行(1)
9月13~18日の日程で、哲学・宗教文化コースの有志4人とカルスタ・コースの学生1人とともに台湾へ調査旅行に行ってきました。今回の訪台では、龍山寺・故宮博物院・二二八記念館等を観光するとともに、真如苑(9月14日)、立正佼成会(9月15日)、生長の家(9月15日)、天理教(9月17日)、創価学会(9月18日)の5教団でお話を聞かせて頂きました。以下、2回に分けて参加メンバーのレポートを紹介します。ご多用中、懇切に受け入れて下さった教団の皆様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
調査の合間には、茶房でトランプを楽しみました。いいコミュニケーションが取れて、僕にとってもとても有意義な旅になりました。
寺田喜朗
台湾へ行っての感想
人文学科 哲学・宗教文化コース 2年
1102121 田中千愛
私は今回はじめて台湾に行きました。恥ずかしながら、行くまで台湾は名前を知っていてもどこにあるのかいまいちよくわかっていませんでした。そして、行かなかったらきっと知ろうとも思わなかったです。台湾と日本は歴史の上でもかなり深い関係にあることでさえ、歴史が苦手な私は知らないままだったと思います。本当に恥ずかしいばかりです。
寺田先生の勧めで、タイペイ・ホステルという所に泊まりました。そこは海外からの旅行者のみが泊まることのできる宿で、様々な国の人と交流できるとの話でした。会話はすべて英語でしなくてはならず、行くまではかなり不安でした。チェックインを私達だけでするときはなかなか英語が話せずに困りましたが、どうにか伝わって安心しました。これは、宿の方が私達の拙い英語をどうにか理解しようと聞いてくれたからでした。宿泊中もわからないことを宿の方が親切に教えてくれました。英語がうまく喋れなくても、伝えたい気持ちがあれば海外に行ってもどうにかなるのだな、ということはこの旅で私が感じたことのひとつです。
今回の旅は、寺田先生の研究に同行させてもらう形だったので、滞在中5つの教団を訪ねさせてもらいました。私達は宗教について授業で習ったり、事前学習をしたりはしましたが、教団を直接訪ねるのはこれがはじめてでした。5つとも日本で生まれた新宗教なのに、日本の本部に行ったことがなかったのでとても恐縮でした。
聞き取り調査もはじめてだったので、メモを取りながら教会の方のお話を聞くことに必死でした。最後に質問や感想を言うときも、失礼がないように、どんな言葉を使えばいいのかと、緊張しました。
教団に訪ねた日の夜は、みんなで集まって反省会をしました。自分が書いたメモを一人が読みあげ、抜けているところがあれば他のメンバーが補っていくという作業をしました。先生のお話では、複数で調査をした後は、このような作業をするそうです。そこで、寺田先生が質問の仕方や話の聞き方などアドバイスをしてくれました。毎回、この反省会があったおかげで、だんだんみんな話の聞き方などがうまくなっていったと思いました。
全体を通して、今回の旅に参加できてとてもよかったです。行くまでは不安ばかり浮かんでしまいましたが、実際行ってみると杞憂だったな、と思うことがいくつもありました。台湾は日本に似ているところがたくさんありましたが、やはり違うところもあり、日本について考えるきっかけにもなりました。また、寺田先生が行く先々で台湾の歴史についてお話してくださって、自分の不勉強を反省しました。
大学時代に学校の授業で知識を広げることも大切ですし、アルバイトをして社会勉強したり、お金を稼いだりすることも大切だと思います。しかし、私はもっといろいろな経験を大学生の間にしたいと思っています。今回の旅でさらにそのことを強く思うようになりました。
誘ってくださった寺田先生、友達、一緒に参加した先輩、後輩に感謝します。
台湾の創価学会について
哲学・宗教文化コース 2年
1102102 下竹和美
今年で50年をむかえた台湾の創価学会は、馬英九総統との対談や地球環境問題への取り組み、展示会など台湾の文化のために貢献している。会員数は、17万を数え、台湾全土で3000ブロックある。「創価」という言葉は「生命の価値を創造する」という意味である。社会のために貢献できる青年をつくっていく、という目標のため青年部を結成しており、今年で31周年になる。創価学会の活動は様々であり、教育・医学・法律の講座を実施し、また、20年間、中国大陸との交流を続けている。子どもたちの交流を主として大人も大陸に派遣している。折伏運動を行っている。人のために悩みを解決させる・友人の幸せのために拡大することを利他行と呼ぶ。日蓮大聖人の仏法として<平和・文化・教育>を掲げている。「人のために宗教はあり、全ての部分は教育しなければならない。心の財産を常に補充し、社会に入ってからも教育を受ける生涯学習」を目指している。人間主義であり、人間の身近な悩みからボランティア活動まで、政府ではできない活動を行っている。しかし、この文化活動は、宗教を宣伝するためではない。文化活動として、合唱団・交響楽団・舞踊・吹奏楽・鼓笛隊などを経営している。これらを心の財産という。
活動の中核には「座談会」と呼ばれるものがある。仏法を学んで切磋琢磨しあい、地域をよくしようと呼びかける集会だ。地方の会員にとって会館は遠く、交通費もかかるため、最寄りの地域ごとに信仰体験を語り合う。創価学会では、法華経の精神を学ぶが、試験がある。一年目に受ける任用試験は信仰のテコ入れになる。「座談会」と「教学」が信仰の二本柱となっている。
私が今回の台湾の聞き取り調査で感じたことは、日本に比べて台湾では新宗教が前向きということです。主観ですが、日本と違ってオープンというか国や人々が宗教に対してとても寛容であると感じました。怪しい、こわい、といった偏見のようなものは感じられず、クリーンなイメージです。一番印象に残っているのは、立正佼成会での日本語が話せる方々とのお話でした。台湾の歴史を全て把握しているわけではありませんが、たとえ、いい影響を与えた結果だったとしても自分たちの民族性をつぶされることほど苦痛なことはないと思います。ですが、立正佼成会のお年寄りの方は私たちを「孫みたい」と日本語で言ってくださいました。一生記憶に残ると思います。また、台湾で毎晩のように痛感していたことですが、やはり勉強不足でした。もっと準備をすべきだったと思います。
大変充実した日々でした。言葉が通じないことは思ったより壁にはなりませんでした。普段、接することのない先輩や後輩と楽しく食事ができて、意見交換ができて勉強になりました。自分の行動の改善すべきところもたくさんありました。あのメンバーだからこそ見つけられたことが多いです。教団に行ってお話しを聞かせてもらうことも内部を見せてもらうことも今の私たちだけではできないことでした。本当に先生に感謝しています。ありがとうございました。たくさんの経験が一度にできて自分の成長にも繋がりました。
台湾の立正佼成会
人文学科哲学・宗教文化コース 2年
1102074 小関理紗子
台湾研修3日目に立正佼成会にお邪魔した。立正佼成会は日本では新宗教としては二番目に大きな教団であり、また、日本新宗教連盟の主催団体でもある。
台湾の立正佼成会は、学校、病院なども経営している、台湾の教団の中でも最も大きいといわれている慈済会ととても親しいそうだ。そして、この慈済会と立正佼成会は教えが非常に似ているのは、慈済会が立正佼成会をモデルにしているからだと、教会の方が語ってくれた。現在、台北教会では約500世帯が会員として登録されているそうだ。しかし、実際に日常で精力的に活動している会員はこれよりは少ない。立正佼成会と台湾の宗教の考えの違いは、「自分が幸せになったら利他行をする」点だそうだ。日本の仏教は大乗仏教であり利他行の精神を掲げているが、台湾は小乗仏教のため、利他行の精神は根付いていない。そこに、日本生まれの宗教である佼成会が、まわりの宗教とは違った利他行の精神を掲げるようになった。今回、訪問した台北、また未訪問の台中教会の教会長は現在台湾の現地の方が務めておられるが、教会長を日本人でなく台湾人がすることは、やはり大きな意味があると、現教会長が教えてくれた。「私自らご法を伝えていかなければならない。そして、会員数を増やすことよりも、法華経をわかりやすく全ての人に同じ教え方で伝えていくことが大切だ」と語ってくれた。
今回の研修は、私自身、初めての海外旅行だったが、毎日充実した時間を過ごすことができ、引率の寺田先生にはとても感謝している。台湾は自分が今まで思っていたよりも遙かに発展していて非常に驚いた。日本の企業も毎日街中で見かけ、とても感動を覚えた。今回は5つの教団にお邪魔させていただいたが、本を読み自分で知識を得るのと現地の方から直接お話を聞くのでは非常に大きな違いがあった。百聞は一見に如かずとはこのことだと感じた。