学部・大学院FACULTY TAISHO
3つのポリシー(2020年度)
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)
大正大学は大乗仏教の精神を建学の理念とし、仏教五宗派が協調し、共同で経営する、他に類例を見ない大学です。本学の教育ビジョンは、建学の精神「智慧と慈悲の実践」にもとづきながら、「4つの人となる」(「慈悲」・「自灯明」・「中道」・「共生」の人となる)という言葉の中に、その基本的精神と願いが表現されています。
- 「慈悲」の人となるとは――、
「生きとし生けるものに親愛のこころを持てる人となる」こと。 - 「自灯明」の人となるとは――、
「真実を探究し、自らを頼りとして生きられる人となる」こと。 - 「中道」の人となるとは――、
「とらわれない心を育て、正しい生き方ができる人となる」こと。 - 「共生」の人となるとは――、
「共に生き、ともに目標達成の努力ができる人となる」ことを意味します。
また、これらの教育ビジョンに基づき本学では、以下の各資質・能力を総合的に身につけた学生に対して学位を授与するものとします。
知識・技能
- ①社会においてよりよく生きるための力となる知識や技能を、専門的な知識と実践的な経験の統合によって身につけている。<自灯明・中道>
- ②自らの専門分野とする学問領域の学修内容と研究方法を理解し、現実社会の中で活用できる。<自灯明・中道>
思考・判断・表現
- ③自ら問いを立て、多面的かつ重層的に思考することによって、課題解決への道筋を論理的に探究することができる。<自灯明・中道>
- ④己の立場にとらわれず、意見や価値観の異なる人々の考えを傾聴した上で、自らのそれを再構築し、論理的・創造的に表現することができる。<中道・自灯明>
関心・意欲・態度
- ⑤自立的・自律的な生き方を志向する中で、地域・社会・世界における課題の当事者としての自己を再発見することができる。<自灯明>
- ⑥より良い地域や社会の形成と発展に寄与していくために、利他の精神をもって主体的かつ実践的に学習成果を活かそうとする姿勢を身につけている。<共生・慈悲>
- ⑦他者に対して親愛の情を抱き、互いを尊重しながら、ともに目標を達成しようとする協働性を身につけている。<慈悲・共生>
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
本学では、教育ビジョン「4つの人となる」ために、共通教育科目である「第Ⅰ類科目」、学科の専門教育科目である「第Ⅱ類科目」、資格取得とキャリア形成に関する「第Ⅲ類科目」を設置し、初年次から卒業までに学ぶ諸科目を有機的に連携・接続させた教育課程を編成しています。また、知識を習得するだけではなく、思考力・判断力を育むために、アクティブ・ラーニングやフィールドワーク等を積極的に取り入れ、双方向で実践的な学びを重視した教育方法を採用しています。評価については、4年間の学習成果を測定する総括的評価だけではなく、教育活動の過程で学習成果を測定する形成的評価を行っています。
教育内容
- ①
第Ⅰ類科目:共通教育においては、主体的な学習態度の涵養、現代社会の課題と向き合う知識・技能、及び、問題発見・課題解決能力、対人能力、自己管理力などの習得とキャリア意識の醸成を教育目標とし、学部群ごとに次のような科目を設けています。
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- 社会創造系学部群
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- 「探究」は、主体的学習態度、自己管理力、対人力、課題解決力、キャリア意識、チャレンジ精神、地域密着力を、人間・社会・自然というテーマに即して統合的に育成するための科目です。
- 「データサイエンス」は、データに基づいて科学的・合理的な分析、提案ができる力を養成する科目です。
- 「コミュニケーション」は、思考力や交渉力を磨き、社会人として活躍できるコミュニケーション力の育成を目指す科目です。
- 「英語・中国語・フランス語」は、それぞれの言語を集中的に学修するとともに、グローバルな意識をもって進んでコミュニケーションができる力の育成を目指す科目です。
- 「学融合実践」は、教養と専門の知識と地域実習での学びを融合して、大学での学びと成長を深めることを目指す科目です。
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- 探究実証系学部群
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- 「問いの探究」は、対象世界に対する知識や技能、思考力や判断力を養うとともに、学修によって獲得した知識や技能を統合する役割を担う科目です。
- 「トランジション」は、大学生活への適応と人格キャリア形成に関わる基礎的技能を修得し、生涯を自律的・自立的に生きる〈私〉となるために必要な能力を身につけることを目指す科目です。
- 「知の加工術」は、情報処理能力や文章表現力、論理的思考に関わるリテラシーを身につけることを目指す科目です。
- 「異文化コミュニケーション科目群」は、異文化間でのコミュニケーションに欠かせない英語の4技能を身につけるほか、他の外国語の知識や技能の育成を目指す科目です。
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- ②第Ⅱ類科目:専門教育においては、各専門分野における知識・技能を体系的に修得するとともに研究方法の理解と実践を進めるため、学部共通科目、専門ゼミナールのほか、選択科目として方法研究科目、応用科目などを系統的に配置します。
- ③第Ⅲ類科目:資格取得やキャリア形成に関する教育においては、各種資格の専門的知識や技能を身につけた人材を育成するため、教員、社会教育主事、司書、学芸員などの資格に関する科目やキャリア育成支援に関する科目を設置します。
教育方法
共通教育・専門教育のいずれにおいても、双方向的で実践的な学びを重視したアクティブ・ラーニングを実施しています。そのなかで、地域・社会・世界におけるさまざまな課題に対して、他者との協働を通じて課題の解決や探究に取り組む機会、また地域・社会の教育資源を活用した「フィールドワーク/サービスラーニング」等の機会を提供しています。
これらの学びを機能させるために講義のみならず、グループワークにおいて学生が相互に学び合うピアインストラクションやディスカッションなど、さまざまなアクティブ・ラーニングの手法を取り入れます。また、特にⅠ類においては、チューターやティーチング・アシスタント(TA)が授業及び事前・事後の授業外学修をサポートします。
専門教育においては少人数からなるゼミナールやワークショップを通じて専門的な知識や技能を身につけます。また、卒業論文・卒業研究を全学生に課すことにより、学修成果を理論的・創造的に発表する機会を設けます。
また、授業の進捗状況において形成的評価を採用し、到達目標に対する学生の達成度をはかり、柔軟な姿勢で教育に取り組んでいます。
評価
- ①共通教育においては、教育目標の到達度を確認するために、小テスト、プレゼンテーション、課題レポート、エッセイ(探究実証型学部群のみ)を課し、学修成果を総括的に評価します。
- ②4年間の総括的な学習成果については、全学生に課される卒業論文あるいは卒業研究・卒業制作とその発表に対して、担当教員による評価と口述試験を行い、ディプロマ・ポリシーで示された資質・能力の達成状況を評価します。
- ③また、卒業時には、カリキュラム改善の指標とするため、質問紙法や面接調査法を用いて学生生活全般に対する総括的評価を行い、カリキュラムのPDCAサイクルを推進します。
- ④学部教育の改善については、各学部の学びの特徴に応じたカリキュラムアセスメントを実施し、教育課程を随時見直します。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
大正大学は、本学の教育ビジョンである「4つの人となる」を、生涯を通じて体得していこうとする学生を育成することを目指し、ディプロマ・ポリシー(学位授与方針)に示した資質・能力を総合的に身につけている学生を育成し、社会に送り出すことを教育目標としています。
そのため本学は、以下の資質・能力を備えた学生を受け入れるため、多様な選抜方法により、多面的・総合的な評価を行います。
知識・技能
- ①入学を希望する学科・コースの教育内容を理解するために、高等学校の教育課程において学習した基礎的な知識・技能を修得している。<自灯明・中道>
- ②高等学校での学習や諸活動において課題や困難に向き合い、解決のための試行錯誤を通して得た経験知を有している。<自灯明・中道>
思考・判断・表現
- ③高等学校までに得た知識・経験を入学希望の学科・コースの学びに結びつけて説明することができる。<自灯明・中道>
- ④自身の興味関心について、自らの視点と言葉で順序だてて説明することができる。<自灯明・中道>
関心・意欲・態度
- ⑤新たな知識や他者の意見に触れることに喜びを感じることができる。<中道・共生>
- ⑥価値の多様性に触れたとき、自らの意見を見直す開かれた姿勢をもっている。<中道・自灯明>
- ⑦社会のさまざまな事象を自らの問題として捉え、他者と協力して積極的に課題解決する意欲をもっている。<共生・慈悲>