学部・大学院FACULTY TAISHO
3つのポリシー
ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)
大正大学(以下「本学」という。)の建学の理念は「智慧と慈悲の実践」です。「智慧と慈悲の実践」は菩薩(自らの修行の完成と衆生の救済を志す人)の生き方を表しています。この建学の理念には、本学で学んだ者たちが生涯を通じて菩薩のように、飽くことなく智慧を探究し、隔てなく慈悲を実践する者であってほしいという願いが込められています。
また本学は「4つの人となる」を教育ビジョンとしています。「4つの人となる」とは慈悲・自灯明・中道・共生を指し、本学で育成を目指す人材像です。今日において「4つの人となる」のそれぞれは以下のように解釈することができます。
- 「慈悲」の人となるとは――
慈悲とは生きとし生けるものに向ける親愛のこころです。慈悲の実践は、他者の立場で物事を考えることから始まります。他者に共感したとき、自分の外側に存在するさまざまな問題を感じ取ることになるでしょう。問題解決のために努力できる人を、本学では「慈悲」の人とします。 - 「自灯明」の人となるとは――
自灯明とは真実を探究し、自らを確立することです。自灯明の実現は、人間・社会の本質や自らが生きる意味を問うことから始まります。自分自身を理解し、さらに見つけた課題に自分事として取り組むことのできる人を、本学では「自灯明」の人とします。 - 「中道」の人となるとは――
中道とはとらわれない心をもった正しい生き方です。自らが立てた問いに対して、とらわれない心で探究することが中道の実践です。根拠にもとづいて論理的に思考し、自分なりの解を導き出すことのできる人を、本学では「中道」の人とします。 - 「共生」の人となるとは――
共生とは、さまざまな人びとが互いを尊重しながら生きることです。共生の世界を実現するためには、共に生きる他者と協働して新たな価値を生み出す努力をすることが求められます。倫理的・協働的な行動ができる人を、本学では「共生」の人とします。
本学では、上記の「4つの人となる」を教育ビジョンとして、現代社会において必要とされる資質・能力を以下のように定め、学生がこれらの学力を総合的に身につけることを教育目標とします。なお、以下の資質・能力の一つひとつは、これまで「学力の3要素」(知識・技能/思考・判断・表現/関心・意欲・態度)の枠組みで整理されてきたものによって構成されており、それらをより高次な段階で統合したものとなっています。
本学は、各学部・学科の卒業要件を満たし、以下の資質・能力を身につけた者に学位を授与します。
「4つの人となる」ための10の力
【慈悲】
- ①他者に共感する力:他者の声に耳を傾け、社会・地域・自然環境に存在するさまざまな問題を感じ取ることができる。
- ②物事の本質を見極める力:関連する情報を収集・整理・分類し、問題の本質を的確に捉えることができる。
【自灯明】
- ③自分自身を理解する力:自らの価値観・能力・関心について理解し、課題の当事者としての自己を再発見することができる。
- ④自分事として問いを立てる力:自らが主体的に取り組むことのできる課題を見出し、それについて適切な問いを立てることができる。
【中道】
- ⑤根拠にもとづいて思考する力:独り善がりにならず、文献・資料・データにもとづいて、多面的かつ重層的に思考することができる。
- ⑥自分らしい方法で表現する力:自分なりの着眼点から導いた答えを、独創的な方法で、説得力をもって表現することができる。
- ⑦自らの主張を吟味し、ふりかえる力:自らが学んだことや経験したことを俯瞰的に評価し、次の機会につなげる主体的な姿勢をもっている。
【共生】
- ⑧多様性を尊重する力:価値の多様なあり方を理解・尊重し、他者と円滑なコミュニケーションをとることができる。
- ⑨新たな価値を創造する力:身につけた知識・スキルを活用しながら、現存する問題に創造的な解決策を見出すことができる。
- ⑩他者と対話し、協働する力:他者との対話を重ねながら、協働して問題解決に向けた行動をとる意欲をもっている。
カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
本学では、上記の「4つの人となる」を教育ビジョンとして、現代社会において必要とされる資質・能力(「4つの人となる」ための10の力)を育成することを目標に、教育課程・教育内容、教育・学修方法、評価の観点から、教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)を定めます。
教育課程・教育内容
本学は、共通教育科目である「第Ⅰ類科目」、学科の専門教育科目である「第Ⅱ類科目」、資格取得とキャリア形成及びアントレプレナーシップ養成に関する「第Ⅲ類科目」を設置し、初年次から卒業までに学ぶ諸科目を有機的に連携・接続させた教育課程を編成します。
(1)社会の課題と向き合い、変化に対応できる能力を養い、未来を生き抜くために必要な知識と技能を獲得するため、学融合・統合型教育として「第Ⅰ類科目」を開講します。第Ⅰ類は以下の科目から構成されます。
- ①探究:他者に共感する力、自分自身を理解する力、根拠にもとづいて思考する力、みずからの主張をふりかえり吟味する力、他者と対話し協働する力を、人間・社会・自然というテーマに即して統合的に育成するための科目。
- ②データサイエンス:データリテラシーを修得し、データを活用して課題を解決することを目指し、根拠にもとづいて思考する力、他者と対話し協働する力を育成する科目。
- ③リーダーシップ:思考力や交渉力を磨き、社会人として活躍できるコミュニケーション力やチャレンジ精神を涵養し、自分自身を理解する力、自分らしい方法で表現する力、新たな価値を創造する力などの育成を目指す科目。
- ④総合英語:異文化間でのコミュニケーションに欠かせない英語の4技能を身につけるほか、グローバルな意識をもって進んでコミュニケーションができる力の育成や異文化理解の態度を養成する科目。
(2)各学部・学科において専門教育科目である「第Ⅱ類科目」を開講します。各専門分野における知識・技能を体系的に修得するとともに、研究方法の理解と実践を進めます。第Ⅱ類では、専門分野への導入・基礎にあたる科目をはじめ、身につけた力を実践的に活用する応用科目などを系統的に配置します。なお、各学科で「学融合ゼミナール」を配置し、自らの専門分野の学問領域と他の学問領域を統合的に学び、多面的・重層的な思考をすることで、複雑で多様な現代社会の課題に応えることができることを目指します。
また、卒業論文・卒業研究を全学生に課すことにより、学修成果を理論的・創造的に発表する機会を設けます。
(3)第Ⅰ類科目、第Ⅱ類科目をベースに、社会との連接を実践しながら、学生のキャリア志向に関連する科目である「第Ⅲ類科目」を開講します。第Ⅲ類は、国家資格・認定資格取得のための科目、企業研究や地域との協働による科目、専門性をより高めるための科目、新しい価値創造を企画・実現し、組織内においてもリーダーシップを発揮できる人材を育成するアントレプレナーシップ育成教育科目によって構成されます。
教育・学修方法
共通教育・専門教育のいずれにおいても、育成する資質・能力に応じて学修効果を最大限に高めるため、以下の教育・学修方法を採り入れます。
聴講・視聴/読解/討論/協働/調査/体験・実践/発表/リフレクション
第Ⅰ類においては、教員と複数のチューター等が授業及び事前・事後の授業外学修をサポートするチュートリアル教育、チームティーチングを実施します。第Ⅱ類・第Ⅲ類では、少人数からなるゼミナールやワークショップを通じて専門的あるいは汎用的な資質・能力を身につけます。大人数からなる講義科目においても、可能な限り、双方向的で実践的な学びを重視したアクティブ・ラーニングを実施します。
評価
- ①個々の授業においては、到達度を確認するために、テスト、プレゼンテーション、課題レポート、エッセイ等を課し、学習成果を形成的、総括的に評価します。
- ②4年間の総括的な学習成果については、全学生に課される卒業論文あるいは卒業研究・卒業制作とその発表に対して、担当教員による評価と口述試験を行い、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)で示された資質・能力の達成状況を評価します。
- ③4年間の総括的な学生生活の満足度については、質問紙法を用いて評価します。
- ④授業評価アンケートを実施し、個々の授業の内容・方法の改善を図ります。
- ⑤上記の評価をふまえて、各学部のカリキュラムアセスメントを定期的に実施し、教育課程を随時見直します。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)
本学は建学の理念に則りディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)を定め、そこに示した資質・能力を総合的に身につけている学生を社会に送り出すことを教育目標とします。そのため本学では以下の資質・能力を備えた学生を受け入れるため、多様な選抜方法により多面的・総合的な評価を行います。
知識・技能
- AP1:入学を希望する学科・コースの教育内容を理解するために、高等学校の教育課程において学習した基礎的な知識・技能を修得している。
思考・判断・表現
- AP2:高等学校までに得た知識・経験を入学希望の学科・コースの学びに結びつけて説明することができる。
- AP3:自身の興味関心について、自らの視点と言葉で順序だてて説明することができる。
- AP4:設問や質問の主旨を理解することができる。
- AP5:問いに対して論理的に思考し、答えを導くことができる。
関心・意欲・態度
- AP6:新たな知識や他者の意見に触れることに喜びを感じることができる。
- AP7:価値の多様性に触れたとき、自らの意見を見直す開かれた姿勢をもっている。
- AP8:社会のさまざまな事象を自らの問題として捉え、適切な問いを立てることができる。
- AP9:対話を重ねながら、他者と協力して積極的に課題解決する意欲をもっている。
なおこれらの資質・能力はディプロマ・ポリシーに示す資質・能力と以下のように対応しています。
AP1 | AP2 | AP3 | AP4 | AP5 | AP6 | AP7 | AP8 | AP9 | |
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①他者に共感する力 | 〇 | ◎ | |||||||
②物事の本質を見極める力 | 〇 | ◎ | |||||||
③自分自身を理解する力 | 〇 | ◎ | |||||||
④自分事として問いを立てる力 | 〇 | ◎ | |||||||
⑤根拠にもとづいて思考する力 | 〇 | ◎ | |||||||
⑥自分らしい方法で表現する力 | 〇 | ◎ | |||||||
⑦自らの主張を吟味し、ふりかえる力 | 〇 | ◎ | |||||||
⑧多様性を尊重する力 | 〇 | ◎ | |||||||
⑨新たな価値を創造する力 | 〇 | ◎ | |||||||
⑩他者と対話し、協働する力 | 〇 | ◎ |